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仕事と個性:あなたの恩師は「最も優秀な教師」とは限らない

小学校から高校、大学までを振り返って

「この先生は好きだったな」という

教師の顔は思い浮かぶだろうか?

 

私は、ほとんどの先生が嫌いだったけど、

2人だけ、心から尊敬・感謝している人がいる。

1人は中学2年生のときの美術の先生。

 

当時の私は家庭科や美術の授業が嫌いで、

細かく指示されたどおりに作ることの

面白さが全く分からなかった。

 

勝手にアレンジを加えると怒られるので、

もうなんかテキトーにやっとけ…

という感じだった。

 

でも、中2で美術の先生が新しくやってきた。

まだ20代前半で、声が高めの女性だった。

 

最初の授業は、ステンドグラス風の作品づくり。

カラフルな薄いプラスチックを切り合わせたあと、

背景に銀紙を張ってキラキラ感を出す。

 

材料が入っていた袋の裏の【作り方】欄に書かれた

「銀紙は、しわにならないように丁寧に保管する」

という指示を、先生は口頭でも繰り返した。

 

中学生にとって「丁寧に保管する」というのは

けっこうレベルが高いタスクである。

私の銀紙は、すでに端がほんの少ししわになっていた。

 

面白かったのは、しわになっている部分に光が反射して

しわのない部分よりキラキラして見えたこと。

 

その発見をした途端、

私はワクワクして銀紙を手の中で丸めていた。

全体がしわくちゃになった銀紙を背景にすると、

「うん、こっちのほうがいい」と思った。

 

しまった!と気づいたのは、そのすぐあと。

これは典型的な怒られるパターンだ…。笑

 

各班を回っていた先生が私たちの作業台にやってきて、

しわくちゃキラキラな銀紙を不思議そうに見た。

 

そうして先生が通り過ぎるのを願いながら

下を向いていた私の耳に、思いがけない言葉が響いた。

「これ、すごくいいね」

 

すると先生は、クラス中に私の作品を見せて、

銀紙はしわがあってもいいことにする、と

いとも簡単にルールを変えてみせた。

 

あれから20年近くたって、

この出来事を覚えているのは、きっと私だけ。

先生は、私が高校生の頃に

病気で亡くなられたと記憶している。

 

もう1人は、大学時代のスペイン語の先生。

非常勤の講師で、50代前後のお母さん的な雰囲気。

 

彼女の授業は1時間目だったので、遅刻が多い。

他の教授なら、嫌そうな顔をされるところだ。

 

でもこの先生は、遅れて入ってくる学生の目を見て

「○○さん、おはよう」と満面の笑みで挨拶する。

時には「頑張って来てくれてありがとう」とさえ言う。

すごいことに、そこには全く嫌味がない。

 

授業中も、すごく質問がしやすくて、

他の授業では優秀な人たちしか手を上げないけど、

このクラスではみんなが発言するようになっていた。

 

この話でなにが言いたいかというと、

この2人の先生はどちらも「普通の先生」じゃなかった。

自分の性格・価値観といった個性を大事にしていた。

 

その結果、少なくない数の生徒と他の教師からは

「頼りない」という評価を受けていた。

 

でも、私にとっては「最高の教師」だった。

 

あの美術の先生がいてくれたから、

自分のクリエイティビティを殺さずに

今でも【自分で考えて創る】ことに、

罪悪感や劣等感をもたずに生きている。

 

あのスペイン語の先生がいたから、

この言語が好きになって通訳になれたし、

面白いキャリア展開につながっていった。

 

ほとんどの教師のことが嫌いだったからこそ、

私にとってこの2人のインパクトは大きい。

 

あなたの今の業界や職場において、

迷うことがあったら、考えてみてほしい。

 

従来の慣習やルールに従って、

みんなと同じ指標で競い合う

いわゆる「普通」の人になるのか。

 

周りのやり方とは違っていても、

自分の価値観や性格に正直になって、

ちょっと「変わった」人になるのか。

 

もし、後者の選択肢にワクワクするとしたら、

周りから低い評価を受けても気にしないこと。

あなたが選んだ道だから、諦めて受けいれよう。

 

そのぶん、あなたのファンになった人は、

一生あなたのことを忘れない。

そう生き方、私はありだと思うなぁ。

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